水(臼)かぶり
- tsuneyoshishirai
- 2019年1月7日
- 読了時間: 3分

三池地方は昔から火災の多い場所と言われています。そのため、火災除けとして「水(臼)かぶり」という行事が毎年1月の成人式におこなわれています。場所は福岡県大牟田市の弥剣神社 (三池本町祇園宮)です。

「三池」は古くから肥後熊本と筑後柳川を結ぶ「三池街道」の宿場町として栄えました。 そんな場所であるため、火事になると一気に火が燃え広がり、1699年の三池火事をはじめ、大火の記録も多い所でした。1868年には、三池上町・寺町内の八十戸を焼失する大火が起こり、この町にある弥剣神社に火災除けの祈願行事として 「水(臼)かぶり」が始まったそうです。

もともとこの行事は正月の15日に、白装束に草鞋がけで身を固めた上町・寺町の氏子達が弥剣神社 に集まって、火災除けの祈願をしたあとに、この神社の氏子中の約300戸の家々を隈なく 二度駆け回り、三度目にその年新しく一年となる子供が神水(さかみず)を被るのを合図 に、ほら貝の音とともに一斉に駆け出して、各家々の前に置かれた臼やバケツの水をかぶってまわるというものでした。若者にとっては力自慢で重い臼を持ち、何杯水を被ったかを自慢するという 一面もあったそうです。
しかし、三池街道、行けば分かるのですがとても狭い道です。このため1958年に自動車の普及増加から狭い三池街道での行事は危険とのことで、中止となりました。しかし、1983年に町内の有志、氏子の総意で祇園宮境内において「水(臼)かぶり」が再開され、現在に至ります。

再開された「水(臼)かぶり」は祇園宮境内でおこなわれるようになりましたが、その勇壮さは健在です(もっとも昔を知っているわけではありませんが!)
最も重いもので、最重量70kgもある木臼の中に水をいれ、それを被って臼を後ろに放り投げます。見ているだけでも腰を痛めそうです!!!

「水(臼)かぶり」が終わったあとは「どんど焼き」がおこなわれ、おかゆがふるま われます。これを食べると1年間無病息災なのだそうです。僕も昨年食べましたが、確かに病気をしなかったような気がします。

勇壮で全国的にも珍しい「水(臼)かぶり」、是非足を運んでいただければと思います。
その前に、空気が乾いて火事が起こりやすい季節ですので、火の元に十分中止していただければと思います。
写真は昨年撮影したものです。
【水(臼)かぶり】
場所:大牟田市三池本町祗園宮(宮地嶽神社内)
所在地:〒837-0921 福岡県大牟田市大字三池
問合せ先 :(一社)大牟田観光協会
〒836-0843 福岡県大牟田市不知火町1丁目144-4大牟田観光プラザ内
TEL:0944-52-2212
FAX:0944-43-0100
開催日:2019年1月14日月曜日、祝日 18:00〜19:30
アクセス :大牟田駅前からバスで14分西鉄バス大牟田駅前バス停より『2番久福木団地』または『4番三池中町』行きに乗車し、三池中町バス停下車 三池中町バス停から徒歩で2分
見学・所要時間 90分
駐車場:近くに臨時駐車場がありますので、お問い合わせいただければと思います。
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