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ARAO LIFE

荒尾での生活の日々を綴ります。

日本刀作刀見学

  • 執筆者の写真: tsuneyoshishirai
    tsuneyoshishirai
  • 2019年1月5日
  • 読了時間: 4分

日本刀を作るためには文化庁の試験を受けなければなりません。そのためには4年間(昔は5年!)、師匠について無給の修行をおこない厳しい試験に合格する必要があります。そんな刀匠は全国に250名程います。そして、その中でも刀を専門で作っている人は50名程。そんな1人が熊本県荒尾市の刀匠松永源六郎さんです。

荒尾の刀匠、松永さんは今までに1100振りの刀を作っています。一昨年末には横綱稀勢の里の太刀を作ったりしています。しかし、その他の刀匠と違うのは、約40年前から刀を作る過程を公開して見せているということです。




刀匠は通常、刀を作る技術というのを公開していません。たとえ同業者でも見せません。見せてもお正月の打つはじめなどにマスコミを呼んで見せるくらいの所が多いのではないのではないでしょうか?しかし、荒尾の松永さんの所では見ることが出来るのです。もちろん、全ての工程を見ることが出来るわけではありませんが、平安・鎌倉時代から続き、基本的に1000年の間、変わらない作り方で作る日本刀制作の現場を見ることが出来るのです。昨年から大分から通っているお弟子さんが説明することが多いようですが、説明は聞いて面白いですし、知らないことが多く勉強になります。

そういうオープンなところから、色々な案件も持ち込まれたりします。お城などに使う”和”釘の製作なんかもあるそうです。お城などの建築物は骨組みは釘を使いませんが、その他の部分は和釘を沢山使っているのです(昔の建造物は釘を使っていないと思っている人がいますが)。この和釘、日本刀と同じく玉鋼(たまはがね)を鍛錬して作るものなのです。そして、最近だと惑星に打ち込んで惑星の地表を採取するための金属コアラーの刃先なんかも松永さんが作っていたりします。色々な条件を考慮して、地表に打ち込む金属の刃先は日本刀の技術で作るしかない!と研究者が判断したためで、この研究はかれこれ10年以上続けられています。新聞などで取り上げられたので、知っている人も多いかもしれませんが、次の「はやぶさ」に搭載予定のものです。

作刀見学の時に都合が合えば斬試の演武も見ることが出来ます。

現在は刀で人を切ることはありませんので、日本刀は工芸品としての価値に趣きがおかれています。しかし、多くの刀匠が目標とするのは、戦(いくさ)で使われていた平安・鎌倉時代の刀です。このため道具としての刀の側面を磨くために、松永さんは古武道小岱流斬試源清会という斬試の流派を持っています。そして、切れる刀というのを長年追求しています。会長は旧柳川藩の立花17代目(立花宗茂の子孫)で、古武道小岱流斬試源清会それに仕えるという形になっています。このため、刀は腰に2本差しです。

もちろん、そんな日本刀を買うことも出来ます。文化庁の取り決めで1か月に2本までしか作ることが出来ませんので、注文が多い場合は待つ必要がありますが、携帯証明までつけてくれます。もちろんお値段はそれなりですので、お問い合わせいただければと思います。かつては日本人の魂と言われた刀、おひとついかがでしょうか?


写真は毎年1月3日におこなわれる打ち始めの儀式です。この日は毎年、熊本の多くのマスコミが取材に来ています。この日に一般の人が見に来ることが出来るのかは知りませんが(たぶんマスコミ向け?)、是非荒尾に来て、日本刀作刀見学をしてみてください。

見に来る人は海外の人が多いのですが、長崎、天草が世界遺産に登録された関係で国内の旅行社からの問い合わせも増えているそうです。

熊本や福岡の南部に来たら、是非「日本刀作刀見学」をしてみてください。貴重な体験が出来ると思います。


【日本刀作刀見学】

場所:松永日本刀剣鍛錬所

所在地:〒864-0031 熊本県荒尾市川登1907-80

TEL:0968-68-2250

FAX:0968-68-1898

問合せ先 TEL:0968-68-2250

ホームページ:http://arao-kankou.jp/sightseeing/experience/nihontoinspection.html

アクセス:荒尾駅からバスで15分

屋号・氏名:松永日本刀剣鍛錬所

料金/見学時間/休業日:体験プログラム(要予約)

料金:1000円

人数:2~15人(小学生から体験可)

所要時間:1時間半~2時間 期間:通年(不定休)


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